来院から会計までの流れ
02.予診表に記入

お困りの症状や今まで取り組まれた治療内容などに加え、東洋医学のチェック表にご記入いただきます。
03.カウンセリング
ご記入いただいた予診表をもとに、お体や心の抱える問題・悩みや経緯などをお聞きしていきます。
04.お着替え

施術着へ着替えていただきます。 (施術着は準備しております。)
※ご持参されても結構です。膝下が出る短いズボンと首肩まわりや腕に施術しやすい服をご用意ください。(背中に施術を行いますので前開きのボタン式上着を前後逆に着ていただき背中が開くような形ですと助かります)
05.東洋的な身体のバランスチェック

心身のバランスを確認しながらカウンセリングでお聞きした状態とを照らし合わせて施術プランを組み立てます。
東洋医学のアプローチ
鍼灸の施術方法 まず始めに東洋医学での判断基準である『四診』から患者さまのお身体をチェックします。
東洋医学での判断基準『四診(ししん)』と呼ばれる「望診(ぼうしん)」「聞診(ぶんしん)」「問診(もんしん)」「切診(せっしん)」から患者様を観察します。
『望診』
舌の状態、体格、姿勢、動作、肌のツヤなど心身の状態や変化を視覚的に観察する方法
『聞診』
声の大きさやハリ、咳や呼吸音、体臭や口臭など、聴覚や嗅覚から観察する方法
『問診』
患者様の話を聞いて病態をチェックする方法
『切診』
身体に触れる方法、代表的なものは脈・腹・舌・肌質などをチェックします
この四診と東洋医学の独特な思考で人間の健康を構成する3つの要素「気(き)・血(けつ)・水(すい)」の異常をみながら体質や症状などを見極めて患者様おひとりおひとりのオーダーメイドのツボを選択していきます。
「気」
人間がイキイキと過ごすために必要な「生命活動の原動力」
「血」
人間の生命維持にとっては欠かせない「酸素と栄養を運ぶ血液」
「水」
臓器の働きをサポートする「体液やリンパなど身体にある水分」

この「気」「血」「水」は、体中に張り巡らされた経絡(けいらく)という道を通り、内臓すべてとつながって、身体のバランスを正常に保つ働きをしています。「気・血・水」の流れが滞ると、その滞った部分に痛みやつらさを伴う症状が起こったり、不調の原因となったりする場合があるのです。この「気」「血」「水」の滞りや不足する場所が「経穴(ツボ)」として体表にあらわれるといわれます。
東洋医学は身体の外に見られる所見で身体の中の異常をどうとらえるかをみていきます。分かりやすく言えば、緊張すれば脈は速くなります。寝不足になれば目の下にクマができます。「身体の中で起こっている異常は、必ず身体の外に反映される」といった考えのもとに、身体を観察していくのです。東洋医学ではこのように導き出されたものを証(しょう)と呼び、体質分類されています
06.施術

患者様に体の状態をお伝えし、施術プランを決定、鍼灸施術を行います。疑問や不安がある場合は遠慮なくご質問ください。
導きだされた証や患者さま一人ひとりの症状に合わせて施術を行ないます。施術では鍼やお灸を使い全身に存在する経穴と呼ばれるツボを刺激し、身体の内側から患者様の自然治癒力を高めていきます。また患者様一人ひとりに合わせて鍼の太さや細さ、鍼をする方向や深さ、お灸の種類や回数など、使うツボを決めていきます。
鍼(はり)施術


初めての方は注射針をイメージしがちですが、当院で使用する鍼は、注射針と違い、指で 曲げれば簡単に曲がる、非常に細い鍼を使います。(鍼灸施術で使用する一般的なもの) 当院では直径0.12~0.18mmの極めて細い針で「経穴(ツボ)」に刺入します。(参考:髪の毛の太さが約0.15~0.17mm、採血用針が約0.70mm)
ツボに刺せば、刺入痛はほとんど感じませんし、患者様によ っては心地よく感じる方もいらっしゃいます。敏感な方の場合は接触するだけの施術もございますのでお気軽にご相談ください。お一人おひとりに合わせた内容でご安心して施術を受けていただくこ とができます。
※当院ではステンレス製、痛みの非常に少ない国産セイリン社製の滅菌済み使い捨て鍼を 使用しています。
お灸(きゆう)施術

お灸施術で使用するお灸は「もぐさ」というよもぎの葉裏の綿毛だけを集めたものを、ツボ(経穴)のある皮膚の上に乗せて着火し、温熱刺激を与え、生理状態を変化させる施術です。当院の基本のお灸は皮膚の上に直接ひねった「もぐさ」を乗せるお灸を使います。初めての方の中には、テレビのバラエティー番組などで罰ゲームなどに使用される、大変熱いものを想像される方もいらっしゃいますが、実際にはそのような事は無く、個人差や症状等にもよりますが、心地よく感じる程度の熱さで十分効果が伝わります。患者さまの症状や感受性などでも温度調整していきます。また熱いものが苦手な方には皮膚との間を空けて行う間接灸もあります。輻射熱を利用した棒灸や煙が苦手な方には無煙灸や温灸器など患者さまと相談しながら行いますので安心して施術を受けることができます。
人により効果や感じ方もさまざまですが、やさしい鍼と温かいお灸で 大部分の方が鍼灸を心地よく感じていただき、 うたた寝する方もいらっしゃいるほどですので リラックスして施術を受けていただけます。 (鍼のみ、灸のみのご希望にも対応しておりますのでご相談ください) また院内も自然素材や緑豊かな空間ですのでゆっくりとおくつろぎいただけます。
施術後に変化を体感していただき、今後のアドバイスを行います。
■肩こりや腰痛の場合
痛みの軽減、可動域の変化、部位の硬結(コリ)等の変化を確認します。
■耳鳴り、難聴等の場合
耳鳴りの音質の変化、頻度、聴力変化等を確認します。
■不妊症の場合
基礎体温の変化、冷えなどの体質変化、卵子の大きさ、子宮内膜の厚さ等を確認します。その他に総合的に四診などで心身のバランスを確認します。
07.お着替え
08.今後の施術方針のご提案、お会計
施術後、患者様の体の状態をお伝えして、今後の日常生活でのアドバイスや患者様のニーズに応じた最適な鍼灸施術をご提案いたします。患者様のニーズ、通院環境や費用面など費用対効果が出せるよう話し合いながら患者様にあったプランのご提案を心がけています。鍼灸施術は施術間隔が近すぎても身体に害はなく、むしろ身体にとっては良い状態がキープされます。しかし間隔が空き過ぎると、効果が半減してしまう場合が考えられます。
当院では過剰な勧誘や予約の強制は行いません。患者さまにとって最適な施術プランをご紹介し最終的には患者様ご自身のニーズに合わせて次回の予約を決めていただいております。
患者様の体質、症状をより早く回復させるためには日常での生活習慣の改善もとても大切です。ご要望に応じて、日常生活で心がけていただくことのアドバイスや、自宅でできる「お灸」の指導等も行っております。
※当院では領収書を発行しています。当院の領収書は医療費控除の対象となります。
施術間隔の目安
患者様の体質・症状・回復具合・生活環境・習慣・年齢、また施術目的などにより異なります。
症状の度合 | 施術の目的 | 受診回数 | 受診頻度 |
軽度 | 症状の消失 | 1回 | ー |
再発防止・身体のバランス作り | 2〜4回 | 週1回 | |
症状の根本的改善・体質改善 | 5〜10回 | 週1回 | |
中度 | 症状の軽減 or 消失 | 1回 | ー |
症状の消失・再発防止 | 2〜4回 | 週1回 | |
再発防止・身体のバランス作り | 5〜7回 | 週1回 | |
症状の根本的改善・体質改善 | 8〜13回 | 週1回 | |
重度 | 症状の軽減 | 1〜3回 | 2〜3日に1回 |
症状の消失・再発防止 | 4〜6回 | 週1回 | |
再発防止・身体のバランス作り | 7〜9回 | 週1回 | |
症状の根本的改善・体質改善 | 10〜16回 | 週1回 |
※上記は標準的な目安であり、患者様の状態により異なる場合があります。
疾患 | 施術の目的 | 受診回数 | 受診頻度 |
難聴・耳鳴り | 症状の消失・軽減・悪化防止 | 1〜12回 | 週1回 |
不妊症 | 症状の改善・体質改善 | 1〜12回, 13〜24回 | 週1回 |
※慢性化疾患は症状が長期に渡っているため数回の鍼灸施術で劇的に症状が好転するものではありません。ある程度長期的かつ定期的に取り組むという心構えも大切になってきます。症状によっても異なりますがまずは3ヶ月を1クールとして症状の緩和改善に鍼灸施術をお考えください。鍼灸施術は体のバランスを整え、自己免疫力や自然治癒力の向上、鎮痛や消炎、防衛や体質改善など体に様々な作用で働きかけます。食事・運動・睡眠の健康3本柱を基本に鍼灸施術を加えることでお悩みの症状改善へと加速させることが期待できます。
鍼灸豆知識

自然哲学をもとに経験医学として三千年前から発達してきた東洋医学。 施術の目的のひとつに「治未病(ちみびょう)」といものがあります。 病になる前に未然に防ぐ予防医学のことです。
西洋医学では体に出ている症状に対して検査を行い、手術や投薬によって治療していく対処療法です。その効果には即効性があります。例えば、頭痛があれば血液検査やレントゲンなどデータをとり鎮痛剤や筋肉弛緩剤などが投薬されます。即効性はありますが副作用の心配をされる方も多いのではないでしょうか。
一方、東洋医学では頭痛に対して違ったアプローチを行います。頭痛をおこしている根本原因を探り、体内のバランスを整えていこうという根治療法という概念が大きな特徴です。
頭痛の根本原因も東洋では以下のように挙げられます。
風寒(ふうかん)、風熱(ふうねつ)、風湿(ふうしつ)、肝陽亢進(かんようこうしん)、痰濁(たんだく)、血瘀(けつお)、気血両虚(きけつりょうきょ)、腎虚(じんきょ) 根本原因も様々あり、これらを四診(望/聞/問/切診)で観察し、 気血水の流れや体質を見極め、適正なツボを選択して鍼やお灸で刺激していきます。鍼灸施術には鎮痛や自律神経系や内分泌系を調節、全身的に影響を及ぼす血流や免疫機能の変化などに作用して症状や病態を緩和改善の方向に導いていきます。
身体は本来、自然に治癒できる力をもっています。その自然治癒力を鍼灸によって高め、免疫力をアップさせることで体の血流や免疫機能に変化をもたらし、症状の改善に加え、病を未然に防ぐことができる体づくり(体質改善)を目指していきます。
【神経系疾患】
◎神経痛・神経麻痺・痙攣・脳卒中後遺症・自律神経失調症・頭痛・めまい・不眠・神経症・ノイローゼ・ヒステリー
【運動器系疾患】
関節炎・◎リウマチ・◎頚肩腕症候群・◎頚椎捻挫後遺症・◎五十肩・腱鞘炎・◎腰痛・外傷の後遺症(骨折、打撲、むちうち、捻挫)
【循環器系疾患】
心臓神経症・動脈硬化症・高血圧低血圧症・動悸・息切れ
【呼吸器系疾患】
気管支炎・喘息・風邪および予防
【消化器系疾患】
胃腸病(胃炎、消化不良、胃下垂、胃酸過多、下痢、便秘)・胆嚢炎・肝機能障害・肝炎・胃十二指腸潰瘍・痔疾
【代謝内分秘系疾患】
バセドウ氏病・糖尿病・痛風・脚気・貧血
【生殖、泌尿器系疾患】
膀胱炎・尿道炎・性機能障害・尿閉・腎炎・前立腺肥大・陰萎
【婦人科系疾患】
更年期障害・乳腺炎・白帯下・生理痛・月経不順・冷え性・血の道・不妊
【耳鼻咽喉科系疾患】
中耳炎・耳鳴・難聴・メニエル氏病・鼻出血・鼻炎・ちくのう・咽喉頭炎・へんとう炎
【眼科系疾患】
眼精疲労・仮性近視・結膜炎・疲れ目・かすみ目・ものもらい
【小児科疾患】
小児神経症(夜泣き、かんむし、夜驚、消化不良、偏食、食欲不振、不眠)・小児喘息・アレルギー性湿疹・耳下腺炎・夜尿症・虚弱体質の改善
鍼が有効な疾病
成人の術後あるいは薬物療法の吐き気や嘔吐、妊娠時の悪阻、歯科の術後痛
補助ないし代替治療法として役立つ可能性のあるもの
薬物中毒、脳卒中のリハビリテ ーション、頭痛、月経痛、テニス肘、線維性筋痛、変形関節炎、手根管症候群、喘息
鍼灸は数千年の歴史がある東洋医学の治療法のひとつであり、まだ科学的根拠が解明されていない部分もありますが WHO(世界保健機関)でその有効性が認められている療法です。 不妊や更年期障害などの婦人科系疾患、自律神経失調症や神経症などの神経系疾患、 耳鳴りやメニエルなどの耳鼻咽喉科系疾患など多岐に渡り、その効果が世界的に認められ ています。
最近では米国の国立衛生研究所(NIH)の見解として各種病気に対する効果とその科学的根拠、西洋医学の代替治療として効果について有効であると発表されています。現在の医療は医療技術が発達した西洋医学によるものが一般的ですが、西洋医学でも解決できない原因不明の症状や疾患に対して東洋医学がアプローチ方法を変えた治療法としてその効果が期待され鍼灸の可能性も注目されています。近年では西洋医学に鍼灸や漢方を加える「統合医療」を推進する動きがあり、統合医療の導入により病気の早期発見や予防、健康増進および医療費削減という効果が期待されています。
鍼やお灸を使って全身にある経穴(けいけつ)と呼ばれるツボを刺激し、身体の内側から自然治癒力を高める療法です。もともと古代中国がそのルーツではありますが、現在日本の国家資格である鍼灸は5〜6世紀頃に中国の伝統医療が日本に伝来し、その後、日本の風土や日本人の体質に合わせて発展した中国とは異なる日本独自のもので、東洋医学を代表する日本の伝統医療の一つです。しかし鍼灸と言ってもひとくくりにするのは難しく、日本でも中国鍼を使った中国独自の鍼灸を行なう鍼灸院や、鍼灸の中でも流派や、スピリチュアルな治療を融合している鍼灸院などもあり、その治療法は様々だと言えます。西洋医学が検査や手術に代表される病気の原因をターゲットとする治療法であるのに対して鍼灸などの東洋医学は、症状だけでなく患者さまの根本的な心身のバランスをみる治療法です。現在の病気は複雑化し、単に数値だけでは計れない要因が絡み合って症状にあらわれます。当院が考える鍼灸治療も「患者様が抱える病気だけではなく、その根本にある原因をも改善すること」が重要であると考えます。その原因を一緒に見つけていくために患者さまがリラックスして信頼できる環境作りが重要であると考えています。患者さまのお悩みに耳を傾け、最適な施術方法をご提案し、説明をしっかり行った上で、患者さまの同意のもとに鍼灸治療を進めていきます。
東洋起源の伝統医療(近代的医学が発達する遥か以前から世界各地に存在する医療法)を指し、現在は一般的に漢方薬などの薬物療法である漢方、鍼や灸で刺激する物理療法である鍼灸を合わせて東洋医学と呼んでいます。日本では「西洋」に対して「東洋」とい用語が定着したと考えられているようです。西洋医学では頭痛には痛み止め、お腹をこわしたら整腸薬というように、体の異常が現れた箇所だけを見て対処しようとしますが、東洋医学では体全体としてとらえ、体内のどこかでバランスが崩れてしまったために起こるものと考えます。そうした根本の原因を突き止め、それに対峙しようというのが東洋の考え方です。
女性に多い、病気ではないけれど、「なんだか調子が悪い・・・」というような女性を苦しめる症状に「未病」と言われるものがあります。こうした未病を抱える女性達に今、大変注目されているのが東洋医学です。現在の医療は西洋、東洋の良い所を互いに活用していく「統合医療」の重要性が高まっています。
経脈(けいみゃく)と絡脈(らくみゃく)の総称で中国医学の基本を構成する想像上の脈管系を指します。そしてこの経絡には「気」「血」「水」というものが流れ、体の機能を調整していると考えられています。「気・血・水」とは、東洋医学の根本理論のひとつで、3つの要素が互いにバランスをとり体内を巡り、体の調和や防衛機能を果たしていると言われ、どれかが不足したり、滞ったりすると、体に不調が生じると考えられています。
「気」とは「やる気、元気」など普段私たちが使っている言葉のように目に見えませんが生命エネルギーのようなもの。「血」とは全身を巡って栄養や酸素を体に運ぶもの、また思考の源とされています。「水」は汗やリンパ液・尿など「血」以外の体液のことをさし、体を潤す働きがあると考えられています。「気・血・水」が流れる道である経絡は体の表面から内部というように、「内と外」「上と下」「左と右」「前と後」「臓と腑」(臓腑とは西洋でいう臓器の働きをする機能)など人体の正常な生理活動を維持する上で欠かせないものとされています。またツボは経絡のライン上にある反応点で、ほぼ左右対称に全身に分布しています。体のどこかに異常が現れバランスが崩れると、異常のある内蔵や器官に属する経絡上のラインにしこりができたり、凹みができたりとツボに反応が出てきます。このような考え方のベースにはさらに『陰陽五行学説』というものがあります。
古代中国の思想から生まれた考え方で、まず『陰陽』では自然界に存在するものは、「男と女」「昼と夜」というようにすべて陰と陽に分けられます。陰と陽は対立の関係にありますが、一方で陰の中にも陽があり、陽の中にも陰がある、どちらかだけでは完成せず相手がいて初めて成立するということ、互いに依存し合いながら、力バランスを変え、互いに転化流動しているものだという考え方があります。『五行』では自然界に存在するものを5つに分類し、あらゆるものの相互関係を説明する考え方です。五行の五は「木・火・土・金・水」という5つの生活必須物質からなり、五行の行は「めぐる」という意味と「秩序」という意味があります。五行の相互関係にはさらに「相生」と「相克」とがあり自然界の循環を表しています。相生関係とはお互いを助け合う関係で、木が燃えて火を生み、火は燃えて土に帰り、土から金属などの鉱物が採れ、金属の表面に水が凝縮し、水は木を育てる。つまり事物の発生から発展を促す関係です。また相克関係とは相手の過剰を抑制、制約する関係です。木は土から養分を吸い、土は水の流れをせき止め、水は火を消し、金属は刃物となって木を切ります。つまり抑制し合うことでバランスを保つ関係です。そして五行の関係性は人間の体にも当てはめることができ、人体の臓腑との相互関係を明らかにするものとして用いられます。「木は肝」「火は心」「土は脾」「金は肺」「水は腎」と分類し5つを合わせて「五臓」と呼びます。五臓には「気・血・水」が貯蔵され、五臓はこれらのエネルギーを活用してそれぞれの働きを行なっています。しかし、五臓の「肝・心・脾・肺・腎」とは体内にある内蔵と必ずしもイコールではありません。東洋でいう五臓とは循環器系・呼吸器系・消化器系といった組織機能の働きを含め新陳代謝、免疫機能といった生理機能を示している概念のような考え方として用います。そしてこれらの臓腑はネットワークを作って連携し合い、影響し合いながらも健康的なバランスを保つことによって自然治癒力を高め、保っています。もし、体のどこかに弱いところや強すぎるところがあるとバランスがくずれ、不快な症状や病気が起こるのです。東洋では全体的なバランスを整えることによって自然治癒力を高めるということが必要と考えます。
人間は本来、病気から体を守る力、傷や骨折などを修復する力、鬱や精神的ダメージから立ち直ろうとする力、そして新しい生命を授かる妊娠する力などを持っています。生命を維持し健康な体になろうとするこの力の事を自然治癒力と言います。
病気になったり怪我したりする人たちも、この自然治癒力が働く事で完治していくのです。風邪をひいた時には薬で辛い症状を抑えている間に、体が自然治癒力を発揮して白血球などの免疫力が細菌やウィルスを退治して治癒していきます。多くの薬は病気を一時的に抑えるものであって、根本的原因を取り除くものでは無いのです。怪我した場合も、傷口を処置して一定期間が経過すればその傷は治ります。この場合も体が持っている細胞の再生能力が発揮されて治癒していきます。
人は皆、体が持っている自然治癒力を発揮して体を健康にしています。
痛みがある時にはよく「炎症がおこっている」と言われます。そして炎症を抑える薬などが処方されます。身体の組織が損傷すると、そこには壊死細胞が残ります。また損傷して組織を再生する事が必要です。この壊死細胞を除去する事や組織細胞を再生するためには白血球が必要です。白血球は血液に含まれ移動するため、損傷した部位には多くの血液を流す事で白血球を損傷部位に届けようとします。この血流の増加で「発赤・熱感・腫脹・疼痛」などの症状が起こります。つまり炎症で見られる「発赤・熱感・腫脹・疼痛」などの症状は損傷した組織を修復する正常な過程で生じるものなのです。そしてさらに人間の体は痛みなどの強いストレスを感じた時に脳下垂体からエンドルフィンという物質が分泌されます。このエンドルフィンには麻薬(モルフィネ)と同じ作用、つまり痛みや不安を和らげる力があります。女性が経験する出産では、分娩の前からエンドルフィンの活性は高まり始め分娩の時には通常の6倍にも達することがわかっています。出産のストレスと痛みに対応するため人間の体は素晴らしい自然治癒力を備えているのです。
しかし、いくら正常で必要な過程でも炎症反応が慢性的に続くのは問題です。そのため炎症反応は起こった後スムーズに沈静化することが大切です。炎症に関係する血流の流れや細胞の代謝が正常であれば自然治癒力が発揮されスムーズに傷ついた組織は再生され自然に治癒します。
身体を防御したり修復したりする時に痛みなどの症状は起こりますが、私たちの身体には自然治癒力という素晴らしい力が備わっているのです。しかし、時にはその防御反応を超えた強い病原菌が侵入することがあります。またストレスが続くと自然治癒力が弱まることもあります。このような時に病気にかかると体が防御できないため、薬の助けを借りて、病気の進行を止めたり一時的に緩和させ自然治癒力が回復する状態を作るのです。
鍼灸師は「はり師」「きゅう師」というそれぞれが国家資格で 西洋医学と東洋医学の理論と技術を3年間専門の教育機関で学び、 厚生労働大臣が実施する試験に合格した者です。鍼灸師は「はり」と「お灸」を使った鍼灸治療が行えます。
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